カチドキナミハグモ Cybaeus nipponicus
ナミハグモ科 体長9mm前後
♂ 『ナミハグモは、大きさ・体色と地理的分布によって可能性を絞り込み、目安をつけると調べやすい…とあります。東北地方・岩手県では、以下のような大・中型種の分布が知られています。 オオナミハグモ(大型、濃いが歩脚の環紋は目立たない) コナミハグモ(中型、明るい黄褐色) ヤマガタナミハグモ(中型〜やや大型、やや淡色) ミチノクナミハグモ(中型、黄褐色) ミヤギナミハグモ(中型〜やや大型、体色は濃いが、歩脚の環紋は目立たない)(略)「西日本産の多くは2年1化、翌年秋、成体になる…」ということを岩手県産にも当てはめてみますと、このクモは、ミヤギナミハグモ♂成体の可能性がある?』 コメントと撮影 : くも子さん 『ナミハグモの種は、その地域に限定すれば腹部の斑紋のパターンや微妙な体色に特徴がみられます。(これは、逆にいうと同一種でも地理的変異がみられる場合があるということです) そのため、わかっている地域だと、外見だけでもある程度同定できます。また、幼体でも種を特定することができるようになります。 オオナミハグモはかなり大きく、関東のクロヤチグモくらいの迫力を想像してください。 コナミハグモは腹部の暗色部がまだらで、シモフリヤチグモのような雰囲気です。写真の個体は腹部が黒くて淡色斑が比較的小さいことがわかります。 ミヤギナミハグモは、くも子さんが書かれているとおり歩脚の環紋がめだたないのですが、それ以上に雄の触肢の膝節の大きな突起が写真でも見えるはずだと思います。 触肢の形態からみると、ミチノクナミハグモは似ていますが、比較的小型でこの地域では写真のようなはっきりとした体色をもたないと思います。歩脚はもっと短めの印象です。 ヤマガタナミハグモは体色がやや淡いことと、触肢の形態(明らかな特徴として写真では脛節が長すぎます)が異なるようです。 それでは? ということになりますが、もう一種この地域に分布する種としてカチドキナミハグモがあげられます。カチドキナミハグモは地理的変異が多い種ですが、岩手県(東北)のものは写真のように腹部に比較的小さい斑紋が並んでいました。触肢も細長く矛盾していません。また、東北のカチドキナミハグモは、関東のものより一回り?小さいようです。以上が、同定結果ではないのですが、写真を見た感想です。 (略)また、東北地方では夏から成体が採集されるようになり、寒い地域ほど成体になるのが早くなるようです。蛇足ですが、ヤチグモ類ではこのような傾向(北で成体になる時期が早くなる)が見られないようで、ナミハグモの成体がみられる時期でも、まだ亜成体のものがほとんどでした。』 コメント : Cybaeus さん
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